設計実績の設計コンセプトのご紹介シリーズです
設計コンセプト紹介vol1:上新庄の家
お休みの日には家族だけでゆっくりした時間を過ごしたい。
余白とか控えめさとか日本的な感覚は好き。
だけど、和風が好きなわけじゃ無い。
平日は共働きでとても忙しい。
家事などがストレス無く片付く家にして欲しい。
に答えたら、優しい、おっとりした、でも生真面目な家になりました。
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敷地は坂井市幹線道路から少し離れた場所にある造成された新興住宅地。
この土地に決まるまで、2度、他の土地でもプランニングを重ね、いろんな要望を踏まえて、この場所に決定。
ポイントは周辺環境、将来ご主人様の両親との同居の場合にも対応できる広さでした。
その他のご要望は。。。。。
●車庫は必ず欲しい。玄関まで濡れずに移動したい。
●明るくて風通しの良い、気張り過ぎない家が良い。
●靴や衣類、本など収納が豊富に欲しい。
●寒いのは嫌い
●来客を招くのは多くない。夫婦ともに家でゆっくりするのが好き。
●共働きで平日はとても忙しい少しでも家事の負担を減らしたい。
そこでご提案したのは。。。。
●1階の水廻りとリビングの間の位置に大きなクローゼットを設けて、衣類の移動距離をコンパクトにして、事の負担を減らす。
そうすると、結果リビングに散らかりがちな衣類の定位置が決まり、すっきりとしてインテリア性をそこないません。またリビングの近くですので、帰宅→手を洗う→部屋着に着替える。の使い勝手も同時に満足させています。
●寒くなるのは嫌だという事だったので、リビング階段は採用しませんでした。
それでも、一部に吹き抜けを提案しました。
寒くならないか、ずいぶん心配だったようですが、東に設けた小さな窓から朝の陽射しと空模様を感じて、いち日の朝のスタートを切ってもらいたかったので、半分、ごり押しで説得させてもらいましたが、期待以上に気持ちが良いそうで、結果オーライな感じです。
提案した立場としては安心しました。
お友達が来て、ワイワイやりたい、というよりも、プライバシーの守れる静かで落ち着いた暮らしがしたい、との事でしたので、玄関からリビングの距離感をとり、玄関に立ったゲストに生活感が伝わらないように、あえて長い廊下をプランしました。
●ご夫婦共に大変本が好き。という事でしたが、リビングにオープンな本棚を置くと来客にプライバシーが漏れがちなので、あえてオープンにせず、扉のある収納にしました。一部はデスクも造りつけました。オープンの本棚はファミリー用を2階階段ホールに。プライベートな本棚はご夫婦の寝室に設けました。(最初は独立した図書室をご要望だったんですが、いろいろ検討した結果です)
●将来、ご主人のご両親が同居される場合に備えて、和室の拡張させて庭に一部増築をする事も可能なように構造やスペースを考慮しています。
●子供室はまだ使い方がはっきりしないので、仕切らず広々と使うプランです。
子供室の廊下に作った窓は吹き抜けを通してリビングとつながっています。
内側に大きく開いた開口部。木製サッシが風景を切り取って、明るいんだけど、はしゃぎ過ぎない感じが休日の時間をゆっくり感じさせてくれそうです。
大きな収納は実は半分以上は中身は本。
扉があってごちゃごちゃが見えないのでうれしい、と喜んでもらっています。
床と天井、それぞれの間に空間をとったのは、圧迫感を減らすため。
左側のデスクコーナーは日常のちょっとした書き物や読書が好きな奥様のPCコーナー。
雑然とさせたくないという事でデスクトップのパソコンは置かずにスッキリと。
畳コーナーは長男君のお昼寝場所にもなります。
もうすぐ生まれる赤ちゃんのお世話にも大活躍すると思います。
リビングからキッチン、ダイニング。
1階の床はパイン無垢フローリング着色塗装仕上げ。
キッチンは手元を隠して、なおかつ作業しながらLDK中が見渡せるように。というご要望でこのレイアウトに。
キッチンからダイニング、PCコーナー。
キッチン収納は造作家具工事でデザイン製作しました。
左手には天井までのパントリー収納。
その奥の引き戸を開けると勝手口のある土間収納スペースです。
キッチン収納の壁面タイルは実際にヨーロッパで使われていたアンティーク煉瓦です。
参考にしたのは料理家の有本葉子さんのイタリアの家のキッチン。グレー系をチョイスして周辺とも調和するようにコーディネート。
小さな吹き抜け。
ボリュームは小さいですが、部屋の中の光の陰影に変化がつき豊かな空間になったと思います。
寒くなるのでは、という不安には、2階部分で窓をつけて家全体に暖気がまわってしまうのを防いでいます。
東の窓から入る陽の光の筋が綺麗です。
2階の階段ホールに本棚と小さなベンチを設けました。
通りがかりに本を選んだりちょっと一休みしたり。
床は2階は杉の無垢フローリングワックス仕上げ。
私たちもお手伝いしながら、施主がご自身で塗りました!
まだ長男君は小さいし、これから家族構成が変化するので、今は大きなワンルームです。
(将来2つにわけられる様にドアは2つです。)
玄関ポーチは長めに。自然石貼りで仕上げました。
玄関ドアは無垢材で造作しました。
塗り壁の白い外壁は陽の当たり方によってさまざまな質感が感じる事ができて、趣があります。
低く抑えた軒。母屋と一体化させた車庫。
落ち着いた佇まいは施主の望む暮らし方を体現しています。
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追記:デザインやディテールにこだわりが強いのはご主人様。
奥様はどちらかと言うと使い勝手優先。
意見が衝突した際には落としどころを捜す感じでじっくり時間はかかりましたが、私たちと価値観や好みが似ていましたので不思議とこれが意外に楽しかったです。
その他の完成写真はコチラから
施主さまインタビューはコチラから
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