(過去記事を加筆修正しています)
ハラダです。
先日参加した断熱と結露対策のセミナー2つにて、熱い講師の想いを私なりに感じ取ったので少し報告します。
|断熱セミナー編
まず断熱の方では、新潟の方で活躍されている若き工務店の社長さんのお話でした。
エコ住宅「Q1.0-X住宅」を推奨する新住協というところの住宅を実証して建てている方で、これからの住宅の方向性を示している一つの例かと思います。
私も以前から新住協のQpex(熱損失係数計算プログラム)は使っていて、その素晴らしさは実感しておりました。
パックになった押しつけの断熱気密工法でなく、その地域にあい、なおかつ施主の感覚や考えにあった工法を検証しながら進めていくという考えが、素晴らしいと思います。
これさえやっとけば大丈夫ということではなく、自分で考えながら工夫しながら工法を決めていくということが、将来にわたっての進化を助けてくれる一助となります。
そんな中、やはりサッシの性能を良くする事が断熱性能をUPする方法としてコスパが最高だという事です。
また前々から興味があった、床下エアコンを実行されているとのことで、床暖房に代わる暖房として当事務所でも検討してみようと思います。
ただ残念なのは、Qpex(熱損失係数計算プログラム)の最新バージョンは、以前の物と8倍の値段に跳ね上がっていたことでした。まあ、これもいよいよ一般化してきた証拠なのかとも思います。
|結露セミナー編
もう一つの結露の話は、名古屋まで行ってきたのですが、まず久しぶりの名古屋は実に変わっていました。
駅前の「名古屋ビルヂング」が今や、Dior、カルティエ、ルイ・ヴィトン、HAL、JRセントラルビルなど、すごくおしゃれな駅前になっていました。
「名古屋ビルディング」と表記も変わっていました。
さて結露の話ですが、一つ衝撃的な話としては、基準法で決められている、小屋裏換気の必要換気孔面積について、床面積の1/250とか、1/1600とかいう数字があるのですが、これの根拠と言いますか、この数字の元となる実験データなどが実は存在しないという事でした。
建築基準法を守ることは最低限の要件ですが、実は、瑕疵保険で決められたディテールや、サイディングメーカーなどの標準ディテールなどに、統一性がなく、この講師の方の会社で実際の実験をしてみると、果たしていかがなものかという結果になるとのこと。
そして、このような部分からの漏水事故、結露による外壁の汚れなどの問題が実に多いとのことです。
あくまで基準法は最低基準と考え、その地域地域で対策をすべしとのこと。
積雪に関しては基準法に地域ごとに細かく区分けされていますが、湿度の高い低いについてはそれがない。
例えば、元沼地、山が近い、川が近いは結露発生の頻度が確実に上がります。
北陸はやはり3倍くらい必要なのではとも言っていました。
前回と今回のセミナー。いづれも有意義なもので、hawsのコンセプト、施主にとって「ちょうど良い」住まいの実践に、これからも役立てていこうと考えています。
デザインと性能のリンク、性能に裏打ちされたデザインが大切かと感じました。