新しい住まいでは”リビングのTVを壁掛けにしたい”というご要望。
スタイリッシュにまとまるので人気がありますが、うち合わせの段階でいくつか注意するべきポイントがあります。
今回は実際の設計実例と共にお伝えします!
壁掛け金具の準備と下地補強
■実例その1「takamichi_house」
壁掛けTVはまずは壁に専用の取り付け金具を設置して、その金具に引っ掛けるような形でTVを取り付けます。
問題は壁掛けTVは重量がかなりある事。
準備していない壁に後から”さあ付けよう!”と思っても難しい。
工事中に仕上げる前の壁の状態であらかじめ下地補強用の合板を設置しておく必要があります。
こんな感じです↓
補強用の下地合板(茶色く見える部分)を貼って、壁掛け金具(黒く見えるモノ)を取り付けた状態。白い部分は耐火ボードにクロス仕上げ。
その他、コンセントやTVモジュラー、スピーカーなどの出力端子なども、必要な場所に設けておきたいですね。(今回は床に近い場所にあるのは、外部スピーカー用の端子です)
ついつい後回しになっちゃうので、早めに(理想は設計打合せの初期。遅くとも上棟の頃までに)購入するTVを決めて準備されると良いですよ。
AV機器の置き場所と配線
壁面にポンとTVだけがみえるからこそ、カッコイイ壁掛けTV。
配線なんかがゴタゴタ見えていたら台無しですね。
そのために忘れてはいけないのは、レコーダーやAV機器、DVDソフトなどの置き場所と配線です。
この住まいでは、壁掛けTVスペースの左横に天井までの造作収納家具を設けてその中にモジュラーなどを設置。
中にはDVDやブルーレイなど機器類を納めました。
配線は隣のTVとの間の壁の中に工事中に仕込んでありますからスッキリ。
LDK内のダイニング脇のカウンターやキッチンの背面の食器収納も、同じ色の素材を使って造作収納家具で製作していますので、違和感なくまとまっています。
TV鑑賞が大好き!というご主人さまのために落ち着いてTVを楽しめるように、TV設置壁面と天井の間に間接照明を入れました。
夜は良い雰囲気になるそうです。
高さも良く検討しよう
壁掛けTVの場合は設計段階で設置予定場所と共に高さについても悩まれる方が多いです。
据え置き型TVに比べて、壁掛けTVは後から高さを変える事ができませんから注意が必要です。
基本の高さというのはありますが、家族の好みや部屋の広さ、どこの場所から見たいかなどの条件で違いますので、設計の間取りが決まった段階で、ご自宅で新聞紙をTVの大きさに切ってシュミレーションなどして決めていくと安心です。
<<テレビ壁掛けショップ本店 の情報が詳しいので参考になると思います。
ちなみに↑でご紹介したtakamichi_houseさんではTVの上端で床から1400mmでした。
壁掛けTVがインテリアに馴染む方法
インテリアの雰囲気によっては”いわゆるTV台や収納を設けずにさりげなくまとめたい”という場合もあります。
壁掛けTVだからこそ、すっきりまとまったお住まいを2例ご紹介します。
■実例その2「ordinaryな家」
インテリアイメージは「古民家カフェ」
わかりにくいですが、左手の障子の横の壁に壁掛けTV取りついています。
正面から見るとこんな感じ。
TVを取り付ける前はこんな風です。
今回は白いクロス仕上げの下に補強用の下地合板が既にしこんであります。
工事中に壁の内部にTV用の電気配線を入れておいて、完成間際にTV用のモジュラーや配線ジャックのプレートを取り付けていきます。
↓壁掛けTV専用の取り付け金具をビス止めします。
写真は建て主さまと相談しながら取り付け場所を決めているトコロです。
取り付けた後のTVの側面はこんな感じです。
DVDなどはインテリアに似合ったレトロな机?を奥様が上手にセレクトされました。
雰囲気ぴったりですね。
TVが大好なご主人様がソファからベストポジションで見たい!という希望を叶えつつ、「古民家カフェ」のインテリアイメージは壊さず、すっきりとTVを馴染ませることができました。
■実例その2「ナミオトハウス」
海が見えるLDKのインテリアのポイントはシンプル&リラックス感。
だから壁掛けTVの下には、シンプルなチェストがさりげなくコーディネートされています。
キッチンとダイニングからこんな風に見えます↓
実は壁掛けTVは取り付ける場所によっては、側面からTVと裏側の配線が意外に良く見えてしまいます。
これはTVの種類にもよると思いますが、もし、側面が良く見える場所に取り付けるのであれば、インテリア的にどう見えるか?大丈夫か?という事にも気をつけてみると良いと思います。