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リフォームなのにすごい構造計算書
あるリフォーム工事の木造増築部分の構造計算書が出来てまいりました。
構造の専門家さんに依頼したものですが、分厚いですね。
でも、これでも少ないほうだそう。
今回の建物は、某プレハブメーカーの築30年の建物に木造で増築する計画。
増築部はたったの9坪分です!
プレハブ工法はある意味特殊だから
その部分でこれだけの量ですから、2階建ての普通の大きさなら推して測るべしという感じ。
通常の木造軸組工法なら、とんでもございません。普通の木造でしたら数枚程度で済んじゃいます。
なぜ今回こんなにもなるのかというと、ちょっとややこしい話ですが、プレハブ住宅というのが、建築基準法の中で、特殊な扱いで、いわゆる38条型式認定建物というもので、基準法にある木造、鉄骨造、RC造、アルミ造、どれでもないみたいな扱いです。
プレハブ工住宅の増築は混構造あつかい
つまり、プレハブに限らず、増築の部分(木造)と構造が違うので、全体としてこの建物は混構造(2種以上の工法が含まれた建物)ということになり、既存と、新しい部分とをそれぞれちゃんと構造的に安全か確認する必要性がぐっと高まります。
で、普通の新築なら、4号住宅の緩和規定というのが適用になって、本格的な構造計算をすることなく、筋交いの量やバランスなど、構造計算の一部をやればいいんですが、今回はその緩和がなく、全部材一本づつの確認を行っているわけです。
(ちょっと前は全体を構造計算せよと言っていたのが、最近さすがにそれは緩和されて、別々にチェックすればよいことになった)
まー、出来上がってきたものを見ると、だからと言って材料が大きくなるわけでもなく、いつものやり方で問題ないということが確認できただけ、ですが・・・
完了検査をうけてないと大変です
もう一つ、この既存部分となるプレハブが、当時、完了検査を受けていなかったものですから、既存の部分の完了検査に変わる調査業務も発生しております。
本来なら建物完成時点で確認機関が行うことを、監理者となる私どものほうがするわけです。
これは決してそのメーカーがダメと言っているんではないですよ。
当時は完了検査受けてないほうが当たり前でしたから。
とにかくプレハブについての情報がない。
どうチェックするのか、検査機関、プレハブメーカーさんに問い合わせました。
大変でした(泣)
完了検査、受けてないことが、こうやって今になって影響を受けるんですね。
超音波試験で、鉄筋の確認や、施工状況の確認をしなくてはなりません。
ちゃんと受けるべきものは受けましょうね。
その他にも次々と問題が
あと指導課から平成10年改正の風圧力に関する告示に対して、チェックせよとのご指摘もありました。
確かに、風圧力の計算式とかが変わり、既存不適格状態(当時の法律では合法でも、法改正によって違法となってしまっている状態)かどうかを確認することは大事ですが、2階建ての高さ、6m程度の住宅に影響あるとは思えないんですが、どうなんでしょう。
確か16m以上の建物が今までより不利になるような改正であったと思います。
今回、小さなリノベーション工事ではありますが、ちゃんとやることは大事だし、こちらとしても色々と勉強になりました。
プレハブの増築は出来ないわけではありません。大変だけど笑
世間では大工さんや小さな工務店さんは、「プレハブの増築は出来ません」という場合が多いようです。
出来ないのでは無く、ちゃんとした建築法などの理解できる人で無いと難しい。という事です。
正直、大変過ぎて驚いたのが、本音なのですが、お困りの方がいらっしゃたらご相談ください。
監理建築士 原田でした。