
温かい家
- 敷地面積|522.74㎡
- 延床面積|255.88㎡(車庫34.78㎡含)
- 竣工 | 2010年
- 家族構成|夫婦・長男・次男・長女
ご要望
- プライバシーの守られた落ち着いたプランが希望。家ではゆっくり過ごしたい。
- リビングでTVを長時間見る習慣はないので、大きなダイニングテーブルが中心になる暮らしのイメージ。
- 夫婦それぞれに蔵書が多いのでそのための書庫と、家族が集まるLDKにも本棚や読書が愉しめるスペースが欲しい。
- 冬の寒さが苦手なので暖かい家にしたい。
ご提案
- 間口が狭く奥に長い敷地であるために閉鎖的になりがちなので、吹き抜けを設けたり中庭を設けたりしながら明るさと風通しを確保してリラックスした雰囲気にする。
- キッチンダイニングをプランの中心に配置。奥にいくにしたがってサニタリー、夫婦の寝室とプライバシー性の高い部屋をレイアウトして暮らしやすく。1階の床下には暖気の吹き出し口を設けて、LDK、サニタリー、寝室とも床暖房を施して冬暖かく。
- 中庭に面した明るい場所に、読書の為のベンチやカウンターのある本棚コーナーを設けて、家族がいつも集まる場所としました。

東側道路側には大きな窓は設けず家の中の気配が伝わりにくいように配慮しました。

アプローチを道路に平行に長くとることで玄関前がゆったりした雰囲気に。段差も小さな広めのポーチは豆砂利仕上げに。

玄関ホールの正面には採光用の窓を設けて中庭1からの明るさを。右手の奥からビルトインガレージから直接アクセスできる手洗い付きの内玄関に続きます。右手の壁一面の扉を開けると大きな下足収納スペース

キッチンを中心としたLDK
中庭2から外の様子を眺めながらの美味しい食事が生活の中心。
流行りのモノや人工的なものがお好きでないM様ご家族のために構造体をそのまま見せた梁や柱がポイントのシンプル&ナチュラルなインテリアに。中庭2への掃き出し窓は富山の専用メーカー製の木製サッシです。
原木の段階から選んでオーダーした無垢板のダイニングテーブルは北海道のナラ材。

「自分たちの暮らしに似合ったダイニングテーブルを誂えたい」とご相談をおうけして越前市の”木工房蔵”さんに依頼しました。自然の割れや木目を素直にそのままにした仕上げはM様ご夫妻の感性そのもの。

冷蔵庫やオーブンレンジ以外の家電はキッチン脇の木製の引き戸の奥のパントリーにしまいます。調理中は開け放して便利に使い、食事中や来客時は閉めてしまえばスッキリと。保存食品やワインセラーなどもたっぷり収納出来るのでお料理好きなMさまの強い味方。

キッチンの壁面のタイルはビストロのオープンキッチン風にアンティークレンガタイルを採用。
拭いたり磨いたりせずにあえて油が染み込む過程も愉しむ計画。

オープン階段からLDKを見下ろす

2階には子供室とご主人の書斎のみ、というシンプルな構成。
オープン階段の脇の中庭3から緑の気配を。窓には縦型ブラインドでスッキリと。

中庭3に面したベンチ付きの本棚。カウンターも設けて、いろんな場所で読書を楽しめるように。

5mあまりの大きな本棚は家族共有の本を。

壁の仕上げは珪藻土左官仕上げ。
コテ塗りの手仕事のあとがあたたみを感じられて味わい深く。
詳しくご紹介

道路から少し余地を設けて来客が車を楽にとめられる様に。前面道路が狭いのでちょっと立ち寄りたい際にも便利だそう。
左手のシャッター付きビルトインガレージからは内玄関から直接家の中にアクセスできます。右手の壁の凹み部分は自転車置き場。
シンボルツリーと小さな植え込みだけですが、緑があると外観がいい雰囲気になりますね。

玄関土間の地窓から外の植栽の緑がうかがえるだけでグッと落ち着いた雰囲気に。

シンク側とレンジ側に分かれた二列型キッチンはオーダーキッチンを設計しました。
ダイニング側(長女ちゃんが立っている側)は奥行き250㎜程度の収納になっています。お客様用の食器やこまごましたものを入れられるように。

本棚とカウンターの奥は左手にピアノ。右手に水廻りエリア(WC・洗面・ファミリークローゼット・浴室・サンルーム)への入り口で、その奥は和室兼用の寝室です。

カウンター前の窓は木枠で囲んで木製サッシのような雰囲気に。和紙をつかったシェードで採用しました。冬には床にある通気口からの床下暖気で家じゅうをほんわりと暖めます。

家の中で唯一の和室は夫婦の寝室兼用です。広縁と南庭に面した明るいスペースです。
子ども達が自分の部屋で就寝するように成長するまでは当面は家族全員の寝室兼用です。

2階の子供室。男の子2人には、それぞれのロフトベッドを設えた一室で。ドアは2か所あるので成長に合わせて将来は仕切る予定です。

こちらは長女ちゃんのお部屋。女の子だから少し可愛いカーテン。

珪藻土の左官壁が乾かないうちに記念に、子どもたちの手形をつけてみました。
将来大きくなって、実家で過ごした想い出のひとつになるでしょう。